PART−2


  

「仕事が空いたから、ちょっと覗きに来ただけ・・・」と言い訳しながらも
しっかりとコスを持参して来ていた花山車レフリー・・・出たいんかい!
アンタ、そこは素直に「出たい!」って言った方が、よっぽど可愛いで。
マサ吉の音響同様、ショッパサで観衆を爆笑・・・いや、堪能させるか?
アオリとの異色コンビ結成の泉州力は不機嫌な表情で心ここにあらず
アオリとの因縁を引き摺る門尾のパートナーは藤原が名乗りをあげた
何時もの面子にアオリが入っただけで新鮮さ、期待度が倍増となる!

  

ゴング前、門尾に突っ掛けて行くアオリ・・・やはり両者の因縁は深い。
場外で門尾を締め上げるアオリ!VTRを回す俺の手にも力が入る。
その瞬間は突然に訪れた・・・まるで無重力状態の如く宙を舞った俺。
そう、まるで自由の地を求めながら彷徨い飛び回る小鳥のように・・・
いや、「俺は飛ぶ!」と叫びながら九階からダイブした窪塚の如くか?
♪飛んで飛んで(転げ)回って回って・・・勿論、円広志な訳でもなく。
何が起ったのか?流石に捻くれ者の俺でも引力の法則には逆らえず
エプロンから約1m下のコンクリートのフロアに右足から落下、転倒!
右踵に凄まじいばかりの激痛を感じながらもスレッカラシの喜ぶ顔に
苦笑い・・・いや、照れ笑いで応えるしかない俺の背中に郷愁が映る。
「おおっ、ナイス・セール!」アングルじゃないって、ガチだってばよぉ!
It`s a アクシデントでんねん!ネタでこんなベタな真似しまっかいな。
おまい等、笑てるけどなぁ・・・・マジで右足がグニャグニャやねんで!



痛む右足を引き摺って、這いつくばりながらエプロンサイドに辿り着き
試合の撮影を続ける不屈の精神力全開・・・俺の背中に闘魂が漲る!
どうやら泉州力のロープワークによって場外に弾き飛ばされたらしい。
おいおい、泉州さん・・・名門白鳥家のお坊ちゃまに怪我を負わすとは
この極悪人が!市中引き回しの上、羽曳野警察に連行しちゃうぞぉ!
桜田門立会いの元で膝を突き合わせて納得いくまで話しましょうか?
もしかしたら 「またお前か!」と言って相手にされないかもしれんけど
とにかく動かない右足ゆえにエプロンにも登れず・・・往生しましたわ。

  

試合に戻ると、突き上げるような掌打やランニング・エルボー等
デビュー戦以上にハツラツとしたアオリの動きが目にとまった!
猛練習を積んだのか? リング上での闘いに慣れて来たのか?
下手にプロレス技を覚えるより今の格闘スタイルを貫いた方が
ええと思うよ、対戦相手にとっては大変なんかもしれんけど・・・
とにかく怪我にだけは十分に気をつけてね!(お前が言うな!)

  

代わって、こちらの手が合う泉州力と藤原はプロレスの攻防を展開。
代名詞となるロックアップからスタートして、互いの良さを引き出す。
泉州力がラリアートで藤原を薙倒し、門尾をサソリに極めたその時!
宿敵・門尾を獲るのは俺だ!とばかりに自軍の泉州力を跳ね除けて
門尾の首を締め付けるアオリ、愛情と憎しみは紙一重なのかもなぁ。
ひょっとかしたら、アンタ等・・・モーホー?想像するだけで恐いけど?

  

アオリの愛憎劇・・・いやいや、スタンドプレーにブチ切れた泉州力。
椅子を持ち出してはアオリを殴りつけ制止に回るレフリーにも一撃。
やられながらもセールが出来ると・・・笑みを隠し切れない(?)花山車
レフリーの表情を見逃さない小姑根性丸出しの俺なのであった・・・
最後は泉州力がアオリをラリアートで薙倒し没収試合が告げられた

  

REX-JAPANの石倉になだめられながら「なにこのぉ、タコ!コラ!」
スタスタ帰る泉州力なのであった。墓に糞をぶっかけに行ったんか?
そして唐突にと言うか、イマイチ説明不足でファジーな流れながら・・・
泉州力に代わって、どうやら石倉が試合に出場!続行されるらしい?
どうでもええけど、石倉さん・・・出場可の一報は早めにお願いします。
急に言われても何処で辻褄を合わせてええのやら、往生しまっせぇ!

  

訳の判らんまま再試合が始まって、アオリを締め上げる藤原だったが
バックドロップと呼ぶにはあまりにも危険過ぎる角度の投げを喰らう。
そして助走をつけ、勢いと高さが十分についたパワーボムで追い討ち
見ていてヒヤッとさせられた、アオリの説得力十分の反撃であった・・・
投げも投げたり受けも受けたり・・・いや、俺のセールのほうが上手か?

  

代わった石倉も藤原と互いに試合巧者らしい攻防で通を唸らせる。
俺はビデオを撮影しながら、踵の痛みで唸っていた訳なんやけどね
門尾と藤原のサンドイッチ・二ールキックも見事なタイミングでヒット
最近では何気にプロレス・ムーブに融合しつつある空手家・門尾・・・
それはそれでええ傾向にあるんやろうけど? ここまで来たら反対に
デビュー当時の荒削りぶりを懐かしく感じるのは何故なんやろか・・・
木戸銭払って無責任に見る立場から主催する側の立場になった今
軽々しく口に出せるもんじゃないけども・・・俺にとってのプロレスとは
手の合う予定調和で魅せるんじゃなく、異質のゴツゴツとした激しい
ぶつかり合いで魅了するジャンルであって欲しいような気もする・・・

  

ここが勝機(何処が?)とみた石倉はアオリに門尾への牽制を指示・・・
何を勘違いしたのか?飛び出て来たアオリは石倉のサイドに回り込み
たどたどしい仕草ながらも二人掛りのブレーンバスターを仕掛けようと
汗汗汗・・・「アッチ!アッチ!」焦る石倉が再び門尾の牽制を指示・・・
イマイチ意味不明のアオリは石倉の右サイドから左サイドに回りこむ!
違うって・・・・アンタ、余程ブレーンバスターに参加したかったんやね?
やっと間違いに気付き、首を締められながら笑うしかないアオリだった
いやぁ、異質がゴツゴツとぶつかり合う音が館内に響いて来たぞぉ・・・



最後は粘る藤原を石倉が原爆固めで振り切った。

  

怒りの納まらない泉州力は取材拒否?ノーコメントを貫く・・・
藤原、石倉ともに試合を冷静に振り返って感想を述べて行く
この両選手が感情を剥き出しにして、心の奥底からの叫びを
唸り出した時・・・もう一段ステップアップするような気がする
何故ならプロレスとは闘い・・・怒りを表現するモノなのだから
某メジャー団体等で御馴染み(?)今時のデジタルレスラーが
「てめえコラァ!叩き潰してやるぞ!」 と上辺で叫ぶだけの
怒りっぷりだけは、ちょっと勘弁して欲しいものがあるけどね。

 

5月の一騎打ち時に比べて幾分、テンションも下がり気味?
こちらも落ち着いたコメントに終始した宿敵の門尾とアオリ。
この人相でそんな落ち着いたコメントしてたらアカンたろ・・・
訳が判らんでも吠えな! とにかく無理矢理にでも吠えな!
何故ならプロレスとは闘い・・・怒り、哀しみ、それに笑いと?
様々な感情を表現する松竹新喜劇のようなモノなのだから



おいおい、えらい腫れてきたような気がするぞ
激痛に耐えながらも全試合終了まで見守る!
さらには試合後のちゃんこパーティーにも参加
ミンナと居ると気が紛れて痛みも薄れていたが
帰宅後、慌てて救急病院に駆け込んだ俺・・・
レントゲン写真を撮り、診察室で見てビックリ!
おいおい、ジグソーパズルじゃないんだから?
右足踵複雑骨折にて全治三ヶ月・・・即入院!
難儀やなぁ・・・しゃーけど、これで8月の大会は
【白鳥翼エイド】として、2大会連続チャリティー
として開催が出来んで・・・坊主丸儲けかい!
(坊主丸儲け出来る程、客が入るんかい!)
いや、だから・・・そんな問題じゃないってば!
 

右足踵の痛みなにより自由に動き回る事の出来ない歯痒さゆえ
ビデオ撮影をボランティアのオッサンに任せて試合に見入る・・・
エプロンサイドで選手の動きを追いかけてカメラを回すオッサン
残念ながら、J2Kヘビー級タイトルマッチとなはらなかったものの
意外な好勝負となった吹本と安部の一騎打ちなのであった・・・が
試合後、テープを確認すると・・・おいおい、全然映ってないやん!
オッサン、アンタ!録画スイッチを押さずにずっと回してたんかい

  

従ってメインで行われたFUCK!認定世界DQN級選手権試合も
当然の事ながらノービデオとなり・・・映像としては残されていない
虎龍鬼のロープ最上段拝み渡りから始まったスレッカラシ好みな
一連の攻防やタイトル奪取の瞬間、虎龍鬼・涙のマイクアピール等
全ては羽曳野に来てくれた14人の脳裏にのみ保存される事と・・・
FUCK!マットにおける新たなるニューヒーロー誕生劇の瞬間を
目撃出来た選ばれし14名は明日から胸を張って語れるであろう
「俺は虎龍鬼という新英雄誕生の瞬間を生で見たんだぜい!」
  

ビデオ収録の不手際もあって、ちゃんこパーティー参加者(6名)への
ボーナストラックとして急遽、虎龍鬼のタイトル初防衛戦が行われた。
アナウンスと同時に声にならない歓声を上げて狂喜乱舞する6名・・・
何時ものスレッカラシに虎龍鬼が認知された記念すべき瞬間である。
虎龍鬼、初防衛戦の相手は第2試合にて不覚のフォールを強奪された
因縁浅からぬUMAスコーピオン・・・ここで負けたら洒落にならんで!

  

蝶のように舞い・・・蝶のように舞い・・・蝶のように舞い・・・蝶のように・・・
何時になったら刺すねん!虎龍鬼独特のステップでスコーピオンを牽制
鮮やかに尚且つ礼儀正しく正確に四角いキャンパスへ円を描いて行く!
大方の予想通り(?)刺す間もなしにスコーピオンに捕まってしまったけど。

  

逆片エビを極めたスコーピオンの左足を奪い返し逆襲する虎龍鬼。
これも精進に精進を重ねて中国四千年の歴史を会得した賜物か!
意外なテクニシャンぶりに館内からは大きなドヨメキが・・・起った?

  

しかし荒れるスコーピオンは虎龍鬼の命とも言えるマスクに手をかけ
とある事情により素顔を晒すことができない素顔を観衆に晒すという
大胆プレイに・・・両手で必死に顔を押さえうずくまり動けない虎龍鬼
ここでレフリーは虎龍鬼のとある事情を察知、これ以上は危険と判断
したのか? 即座にスコーピオン反則のゴングを要請し試合を止める
初防衛を果たしながらも敗者のようにうずくまる虎龍鬼を尻目に見て
勝ち誇るスコーピオン・・・おいおい、まだまだ引っ張るつもりかいや!

  

「なんで、そんなに礼儀正しいの?」と羽曳野の悪ガキにも質問される程の
虎龍鬼が珍しく怒りの形相で吠える!・・・しかし言葉の節々に礼儀正しさが
垣間見せるところが・・・【FUCK!世界DQN級王者】の証と言えるのかも?
「なんだよ、お前!このマスクはなぁ・・・お前のみたいな安物とは違ってなぁ
総額10万円以上かかってるんだよ!」
「おおっ!」どよめくスレッカラシ・・・
おいおい、アンタ等も・・・そんなとこでドヨメキの声上げてどないすんねん?
何も知らん初心な生娘・・・いや、童貞オナ二ー野郎って訳でもあるまいし。
「来週、蒲郡で夏祭りがあるからなぁ!そこでキッチリ決着つけてやるよ!」
本部の許可も得ず珍しく先走りエキサイトする虎龍鬼の初防衛戦であった。

  

時間が経ち徐々に落ち着きを取り戻したのか?礼儀正しき口調に戻って
前王者のKENTを呼び込んでベルトを譲り受けた御礼を手厚く述べる?
プロレスらしからぬサラリーマン口調のアピールに戸惑を見せるKENT。
言葉が出て来ず、意外とアドリブが利かないところが露呈されちゃったね
KENTの肩の怪我が完治してからの再戦を固く契約・・・・いや、約束する
果たして虎龍鬼の快進撃は何処まで続くのか?プチ・ブレイクはあるのか

  

第5代FUCK!認定世界DQN級王者に就いたCMAジャスティスの虎龍鬼
ちゃんこパーティーが行われている間中・・・というか、帰り支度を終えるまで
その腰にはチャンピオン・ベルトが巻かれたままで外される事はなかった・・・
しかもサイン色紙には、しっかりと【FUCKチャンピオン】と書かれているし?



某Kジムのように出場選手・スタッフ・観客で記念撮影。
FUCK!のカラー・・・いや、俺の柄ではないんやけどね
7月18日・虎龍鬼記念日だけに許されるような気もする

 

右足の踏ん張りが全然利かずに立ち上がる事が出来ない為
失礼ながらも椅子に座ったままで新王者と記念写真を撮影。
「いえいえ何を仰いますやら、とんでも御座いませんです!
どうぞ御大事になさって下さいましね・・・」
と真顔で応える。
流石、虎龍鬼・癒し系チャンプ!・・・やっぱり礼儀正しいわ?

【 次 回 大 会 予 告 】







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