J2K 
2004年6月20日
羽曳野コロセアム・サブアリーナ

  

「活性化」というイマイチ訳の判らない理由で開催される事となった
J2Kヘビー級二代目王者決定ワンディトーナメント、何故にゆえに
ブツブツ言いながらも・・・出場全選手による入場式に参加している
前王者の吹本、ここは拒否するか、暴れてこそなんぼのもんやろ!
この場に居る時点で言われなき返上を認めたことになるもんなぁ。
参加選手が一人づつ、トーナメントに賭ける意気込みを述べて行く
13日のNGB大会で肩を脱臼したKENTは残念ながら欠場と・・・

  

入場式も終わり選手が退場せんとしたその時!闇を引き裂く怒声が
「ちょっと待ったぁ!」CMAジャスティスの虎龍鬼と阿部健二が乱入
スワッ、J2Kに新たなる刺客登場か?泥沼の抗争へ発展するのか?
選手関係者・観客が固唾を呑んで注目する中、虎龍鬼が口を開いた
「本日はお忙しい中を御来場戴きまして・・・誠に有難う御座います。」
おおっ、虎龍鬼が四方の客席に向かって丁寧に頭を下げているぞ!
R木村の「こんばんわ。」を上回る虎龍鬼の意表をついた挨拶だぁ!
選手関係者・観客を凍りつかせながらも、続いて虎龍鬼が切り出す。
「KENTさんの保持する王座に挑戦をさせていただきたいのですが
如何でしょうか?宜しいですか、宜しいですか?有難う御座います。」

あまりにも意表をついた・・・そして、あくまで一般社会人としての常識
に満ち溢れた挑戦表明に返す言葉もなく戸惑いながら頷くKENT・・・
裏切りと損得勘定が当り前のように横行する、この業界の中にあって
癒し系・虎龍鬼の登場は爽やかなる一服の清涼剤と成り得るのか?

  

「じゃあ僕は・・・吹本さん!僕を王座に挑戦させていただけますか?」
おいおい阿部健、お前まで・・・ある意味では緊張感漲る挑戦表明やね
再度四方の観客に向け深々と御辞儀してリングを降りた虎龍鬼と阿部
こりゃあタイトルマッチの前には名刺交換から始めなきゃならんかも・・・

< 補足という名のツッコミ >
我々の想像を遥かに越えた方法で挑戦表明をした虎龍鬼なんやけど?
これは勿論、KENTが保持するFUCK!世界DQN王座への挑戦や・・・
この日の観客でそれが理解出来ているのはおそらく数名のみやろなぁ?
しかもKENTに至ってはFUCK!のベルトを持参して来てもいないし・・・
次回J2K興行で、J2K王座に挑戦するぐらいにしか思われてないやろ?
阿部が吹本に挑戦したのも全然辻褄が合わへん(?)おっかしな話やで!
王座を返上して新王者が決定する前に挑戦表明してる訳なんやから・・・
けど、その事にツッコミを入れる訳でもなく・・・見守る羽曳野一般観客!
タダでプロレスが見れるんやから別にどうでもええ事となるのかもなぁ?
いや、そんな辻褄が合わないという事にさ気付いてないんかもしれん・・・
FUCK!世界DQN王者でも、J2Kヘビー王者でも、なんでもええわい!
KENTでも、吹本でも、誰がチャンピオンだとしても、どーでもええわ?
辻褄合わせなんか、わしゃしらんわい!プロレス見れたらええねんよ。


 

そんな爽やかな風が羽曳野を通り抜ける中、トーナメントが始った。
まずは玉田 vs 淳福の1回戦・・・淳福を容赦無く蹴り続ける玉田!

  

トップロープの高さに怯んでセカンドロープからの攻撃に切り替えた
のは玉田の御愛嬌として?淳福がアックスボンバーにて難関突破。
J2Kヘビー級王座決定トーナメント1回戦=第一試合
山本淳福(体固め)玉田耕一

  

開始早々ジャーマンを見舞い、短期決戦で金星GETを狙う川久保。
しかし試合巧者の吹本は川久保に流血を強要し、試合ペースを握る
緊張ゆえかアドレナリン充満で思いのほか流血しなかった川久保が
最後は電光石火の逆さ押さえ込みで吹本を丸め込み準決勝進出!



呆然とした表情で立ちつくす吹本・・・
ますます辻褄が合わなくなって来たぞ
J2Kヘビー級王座決定トーナメント1回戦=第二試合
川久保勝(逆さ押さえ込み)吹本賢児

  

本命馬・民安登場!軽量の藤原を必殺フルコースで危なげなく攻め込む。
バックドロップで投げ飛ばし、サソリで締め上げ、ラリアートで薙倒して行く。

  

しかし腕殺しで反撃に出た藤原は吹本が噴射した毒霧のアシストを得て
フランケンシュタイナーで民安から3カウント奪取、準決勝へ駒を進めた。
川久保のケースとは違い、これはもはや金星と呼ぶ必要がないのかも?
J2Kヘビー級王座決定トーナメント1回戦=第三試合
藤原卓也(フランケンシュタイナー)民安亮


 

控え室に戻った民安は吹本を呼びつけて咆哮する!
「おい吹本!8月1日は大日本プロレスに出るぞ!」
聞いているのか?いないのか?毒霧で緑に染まった
口元がえらくお気に入りの吹本は・・・「ぶぉぁ〜っ!」
  

1回戦終了後は【FUCK!無頼怒3・5】7月18・J2K道場でKENTの保持する
FUCK!世界DQN級王座への初挑戦が決定し、虎龍鬼が意気揚揚と登場!
同じく吹本への挑戦を表明した阿部を従えてCMA凱の山本&嶋村を待つ・・・
ロープに足を引っ掛けようとしたものの・・・流石虎龍鬼、癒し系(?)ツカミはOK
おいおい、KC(この日はレフリー)・・・リングの上から俺の目を見るなってば!
ビデオ撮影してるんやから、笑い声が音声に入ってしまうやんけ!クククッ・・・

  

「100%の力を込めて打つと間違いなく死んでしまいますよ。」(虎龍鬼:談)
対戦相手に致命傷を与えるのではなく、あくまで牽制としてのみ使うという?
中国四千年の歴史に育まれた必殺の中国拳法の構えで嶋村を威圧する・・・
その割には嶋村に蹴り負けていたような気がしないでもないんですけどね?
そこが癒し系ファイター虎龍鬼の優しさというか?持ち味なのかもしれない。
牽制の回し蹴りでもセカンドロープに足を引っかけて観衆を和ませてみせる
これこそが、まさに地球に優しい癒し系!新しいタイプのレスラーと言える?

  

代わった山本のハイキックにたじろぐ・・・いや、見事にガードする虎龍鬼。
態勢を崩しながらもスープレックスで強引に投げるという力技も披露した
阿部もリアルファイトに力を入れるCMA所属らしく総合系っぽく攻める!

  

一進一退の攻防が続いたが・・・ここで門尾が山本を狙った不可解乱入。
昨年8月開催【FUCK!無頼怒2】での遺恨が1年越しに再燃したのか?
門尾と山本、阿部と嶋村が場外で揉み合う中、リングに戻った虎龍鬼・・・
漁夫の利というのか?棚からボタ餅といったらええのか? RO勝ちとなる

 

「なんだか判らないけど・・・勝っちゃいましたよ?」
何時までも小首を傾げる地球に優しい癒し系であった。
○虎龍鬼/阿部健二(RO勝ち)●山本康二/JET嶋村

  

「皆様のお陰で7月18日、タイトルに挑戦する事が決まりました!」
まずは深々と頭を下げての会釈から始まった虎龍鬼へのインタビュー
結して「潰してやる!」とか 「獲ってやるよ!」などと吠える事などなく
あくまでナチュラル・・・自然体でアピールするのが地球に優しい癒し系
君は気付いていたか? 虎龍鬼の眼玉の色が左右違っていた事を・・・
5月のFUCK!無頼怒3でも、すでにカラーコンタクトを使用していた。
それに気付いていた観客は相当の虎龍鬼フェチと言ってもええやろね
真近で接していた俺を含めたスタッフ連中でも本人から教えられる迄
気付かなかったもんなぁ・・・芸が細かいつーか?無駄が多いつーか?
キッチリとゴミを分別し終えた後のような(?)爽やかさを感じてしまう・・・

 

うって変わって緊張の面持ちでインタビューに答えた阿部健。
二人を苦笑いしながら見つめる山本康二が印象的だった・・・

  

吹本を破り勢いに乗る川久保は藤原相手にも物怖じせず立ち向かう。
前回、脇腹を負傷させられた藤原の空中殺法も無事セールしてみせた
しかし川久保の快進撃もここまで・・・ムーンサルトにて藤原が決勝進出
J2Kヘビー級王座決定トーナメント準決勝戦=第一試合
藤原卓也(ムーンサルト)川久保勝

  

KENTの負傷欠場により1回戦が不戦勝となり体力温存十分の門尾は
重い蹴りの雨嵐を容赦なく淳福に見舞っていく・・・猛攻を耐え抜く淳福。
最後は一瞬の返し技、スクールボーイで淳福が決勝戦に勝ち進んだ!
J2Kヘビー級王座決定トーナメント準決勝戦=第二試合
山本淳福(スクールボーイ)門尾信彦

  

決勝前に設けられた休憩時間、羽曳野の純真な悪ガキからサイン攻め
に合う虎龍鬼と阿部健二・・・満更でもない表情でペンを走らせていく。
悪ガキ・・・いや、子供達にも癒し系が浸透なのか?マスクマンゆえか?
ただ単に悪ガキにイジラレてるだけのような気がしないでもないが・・・

  

数年前、希望に燃え理想も高く旗上げしたJAPAN PRO-WRESTLING 2000
今では憎悪渦巻く犬猿の間柄となって結して交わる事もないであろうが・・・
そのJP2000旗上げ戦の第一試合にマッチメイクされていたのが何を隠そう
今回、J2K二代目王者を争って闘う、山本淳福 vs 藤原卓也だったという
当時を知る選手や関係者筋にとっては大変、感慨深い決勝戦となった・・・
試合内容も、両者が今まで歩んで来たプロレス人生を噛みしめるかの如く
持ちうる全てを小細工なしにぶつけ合う好勝負と・・・なったやろうと思う?
(旗上げから見ていないだけに、アバウトな推測でしかないけども・・・)

  

コーナー最上段に藤原を押し上げ、自身もセカンドロープに足を掛ける。
雪崩式狙いかと思いきや・・・何故か?キャンパスに降りてしまう淳福!
そして藤原を頭上高く抱え上げ、隣のコーナーまでヨタヨタと歩き出す?
十分に助走(になってないけど?)をつけて・・・狙いすましたボム一閃!
おいおい淳福、初めからその場で仕掛けとけよ!思わずツッコんだ俺。
自分がしんどいだけなんじゃないのか?とツッコミ2発目も忘れなかった
プロレス技ってえのは無駄な動きの上に成り立っているんやろな、きっと
最後は拘りのアックスボンバーを決めて淳福がJ2K二代目王者となる。

  

淳福の初戴冠を祝う正規軍、やはり黙ってはいられない?吹本が登場。
「返上した覚えはないぞ!俺がチャンピオンやぁ!」と毒づいていくが・・・
「吹本さん、このお客さんの僕を支持する拍手が聞こえないんですか?」
淳福の【場の空気】が読めないアピールで、なんちゃって系に路線変更。
おいおいアンタ等、安物の漫才師が掛け合いやってんじゃないんだから
しかも思いっきり正統派の喋繰り漫才やってるし・・・ええかげんにせい!
今日の主催はJ2Kなんやで・・・FUCK!やってんじゃないんやからさぁ
アンタ等、喋繰りじゃなくプロレスで正統派を目指してんじゃないのんか?

  

チャンピオンになって舞い上がってんのか?カメラに尻を向けて喋る淳福。
「カメラはアッチ!」思わず突っ込んだ玉田も気付かれる事なく・・・苦笑い。
並み居る強敵を退けて、栄えあるJ2Kヘビー級二代目王者となった淳福!
これからが大変やで!ベルトは獲るよりも、守る事の方が難しいもんやから
観客を満足させながら説得力ある防衛をせんならんもんなぁ・・・キッツイで
これからは淳福のお手並み拝見?じっくりと見定めさせて貰う事にするよ!
J2Kヘビー級二代目王者決定戦
山本淳福(アックスボンバー)藤原卓也

 

「阿部健二が挑戦表明をしましたが・・・」 「ぶぁぁぁぁぁぁ・・・」
判った、判った、なんでもええから早く口の中を濯いでおいで!
緑の口元が気に入ってるみたいね・・・淋病の膿じゃあるまいし。
「虎龍鬼のFUCK!世界DQN王座挑戦が決定しましたが・・・」
「う〜ん・・・そうね・・・ヌンチャクだけじゃ・・・ええっと・・・へへへ」
へへへっじゃあるかい!アンタも意外アドリブが利かんのやね?
この日の虎龍鬼&阿部健による礼儀正しき挑戦表明の模様と
四選手インタビューは近日発売予定の【FUCK!無頼怒3・5】
オフィシャル・ビデオに収録が決定!3000円で購入ヨロシク!

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